ヘルペス性口内炎

ヘルペス性口内炎とは、ウィルス性口内炎の一種です。単純ヘルペスウィルスが感染することで、口の中に炎症を起こします。生後6ヶ月以降の乳幼児に多く発症し、口や唇、皮膚などに口唇ヘルペスと呼ばれる潰瘍が1個〜数個まとまって現れます。単純ヘルペスウィルスは、ウィルスを持つ人が洗顔や歯磨き後に使うタオルや唾液に触れることで、感染が起こるといわれています。ヘルペスウィルスを持っているお母さんが、子供にキスをして、うつしてしまう場合もあります。

 

単純ヘルペスウィルスに感染すると、2日〜12日ほどの潜伏期間を経て発症します。ヘルペス性口内炎が発症すると、歯ぐきの炎症や口の中の痛み、発熱、頚部リンパ節が腫れるなどの症状が現れます。口の中に水泡ができ、それが破裂すると、潰瘍となります。乳幼児がヘルペス性口内炎になると、口内炎ができる前に、口の中がチクチクと痛むので、不快感を訴え泣きますが、症状が見えないため、親は病気に気がつかない場合もあります。口内炎は、小さなものがたくさんでき、ひどく痛みます。口の中が痛いために、よだれが増え、食事や水分を受け付けないことがあります。

 

ヘルペス性口内炎の治療は、主に対処療法になります。高熱には解熱剤、口の中の痛みをとるために、痛み止めの薬を使用します。発熱は4〜5日で落ち着きますが、口内炎は治るまで、1週間〜10日ほどかかります。発熱や口内炎での口の痛みによって、食事や水分を受け付けず、脱水症状になる可能性がありますので、注意が必要です。口の中を刺激しない食べ物を選んで、こまめに水分を摂るように気をつけます。ヘルペス性口内炎は、乳幼児に多い病気ですが、成人になってから起こすこともあります。その場合、乳幼児の時に発症するよりも重症な場合が多く、注意が必要です。